チェコスロバキアの監督、ヤン・シュヴァンクマイエルの短編集。
収録作品
●フード
●石のゲーム
●ワイズマンとのピクニック
●肉片の恋
●フローラ
●アナザー・カインド・オブ・ラブ
●スターリン主義の死
●プラハからのものがたり
数分程度の短い映像作品を集めたものだが、
セリフはなく、物語性も薄いのでアートに近い内容。
その中でも冒頭の「フード(FOOD)」は素晴らしく斬新で、
朝食・昼食・夕食と3種類の食事風景について
部分的にストップモーションを使った動きで
シュールな内容が描かれている。
特に「朝食(BREAKFAST)」は傑作で、
何をしようとしているのかわからない男の行動から
徐々にその世界観が見えてくるのが面白い。
演技ではカバーしきれない部分は
粘土細工の頭に置き換えてしまう強引さと
要所要所で人間臭さを感じる表情がたまらない。
残念ながら「フード」以外の作品はかなりとっつきが悪いが、
この1作品だけを目当てに見ても損はないだろう。
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