年末年始を過ごすために山小屋に集まった数人の若者が
密猟者を追うヒグマに襲われてしまう話。
序盤からヒグマが容赦なく暴れ、
その戦闘力と凶暴さがリアルに伝わってくる。
危険を回避しようとする主人公たちの行動も
考えられる最善の策を取っていて納得性が高いし、
その上でヒグマに対する人間の無力さを痛感できる。
全3巻というボリュームもちょうどよく、
ヒグマとの戦いに疲れや飽きを感じることなく
一気に最後まで読み切ってしまえるスピード感がある。
唯一の難点はエピソードの合間のページに
ストーリー展開を茶化すようなコミカルな挿絵があることで、
ストーリーに入り込んでいたせっかくの緊張感を
一気に冷めさせる最悪の演出。これだけはいらなかった。
ヒグマの恐ろしさをこれでもかと味わえる良作。