一目惚れした同級生に接近するため、
姉より先にデートすることを禁止するという
彼女の父親が設定したルールを突破するべく
学校のはみ出し者を接近させようとする話。
登場人物が一気に出揃う序盤は散漫としていたが、
不良が姉を誘い始めたあたりから急に面白くなってくる。
とにかくこの不良のスマートな振る舞いが素晴らしく、
その魅力にどんどん引き込まれてしまう。
そんな彼に感化されて女性らしくなっていく姉もかわいらしく、
主役かと思っていた気弱な少年とかわいい妹が
実は単なる脇役だったことに気づく。
破局の危機を迎えるたびに見せる
彼のまっすぐな想いにグッとさせられる。
要所要所に挿入される歌の選曲も素晴らしいが、
唯一惜しいのは妙な邦題がついているところで
「10 Things I Hate About You(あなたを嫌いな10のこと)」
のままの方が何倍も魅力的なクライマックスになったはず。
青春時代の初々しさが何種類も味わえる傑作。