長期間にわたって過度な勉強と成果を強制されてきた女性が
我慢の限界を迎えて母親を殺害した実際の事件において、
そこに至る家庭環境や加害者の様子についてまとめたルポ。
母親を殺害して遺体をバラバラにしたと聞くと
残酷で異常な性格の加害者を想像してしまうが、
幼い頃から自由を奪われ、幾度となく人格否定されながら
母の望む進路を強制された壮絶な環境に
30年ほども耐えてきた上での犯行だったことがよくわかる。
本人の希望や適性をまったく無視し、
親の考える理想と食い違うと罵倒されるという
いわばモラハラとパワハラがずっと続く毎日で、
読めば読むほどウンザリする。
「教育虐待」がどういうものかを
生々しく味わうことができる1冊。
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