中学時代の同級生の誰かが書いた小説を使って
人気作家としてデビューしてしまった男性が
当時の思い出を振り返りながら本当の作者を探していく話。
タイムカプセルに保存されていたノートの持ち主を突き止めるため、
毎回同級生の1人に焦点を当てて中学時代を回想していくのだが、
この回想シーンのエピソードがいちいち面白い。
女子と接する貴重な機会に浮かれる中学生の気持ちや
妙な個性を持った女子たちがコミカルに描かれているし、
それを演じる子役たちも素晴らしいの一言。
異性としての恋愛感情を持っていたというより
「一緒に過ごした時間が楽しかった」ぐらいの味付けもちょうどいい。
また、盗作がバレないかヒヤヒヤしつつ連載を続ける現在でも
とぼけた雰囲気で憎めないキャラクターの主人公と
動じない態度で冷静なツッコミをする女性編集者の関係が面白く、
大人側もキャスティングがピッタリなのが素晴らしい。
1話完結型でありながら引きが強く、
全10話で綺麗に終わる見事な構成。
青春時代の淡い想いを追体験できる傑作だった。