いいひと。＜全26巻＞

いいひと。（１） (ビッグコミックス)

誰にでも優しく、のん気な主人公が
東京の大企業に入社して活躍していく話。

タイトル通り、ただのいい人である主人公が
運や人脈を活かしながらどんどん伸びていくのが面白い。
お人よしな言動が偶然にいい方向に転ぶだけ、という単純な作品かと思っていたが
会社員としての仕事の仕方や哲学などが感じ取れ、
社会人が読むと、なおのこと面白い。

会社では個人の能力だけが高くても限界があり、
組織や派閥といった現実的なしがらみがどうしても絡むが、
それらをうまく解決していく流れはなかなか爽快。
結局は「人」であることがよくわかる。

地元の彼女がどうにも鬱陶しくて好きになれないが、
周囲の人全体が幸せになっていく読後感の良さが魅力。
ただ、中盤以降は主人公のキャラクターに飽きが出てくるのと、
テンポの悪さでダレてきたように感じた。