30年後の未来から送られてくる人間を処刑するという
裏仕事で生活する男がトラブルに巻き込まれる話。
タイムトラベルものでありながら時間移動をほとんど使わず、
しかも30年後からの一方通行に限定しているのでわかりやすい。
その分、「ルーパー」という独自設定の理解に意識を回すことができる。
タイムトラベルを軸に、それぞれの異なる目的を持った人物が
絶妙に絡み合っていくのが面白い。
脚本はなかなかによくできていて、2回目の視聴では伏線の張り方に感心した。
唯一の難点は主人公の30年後を演ずるブルース・ウィリスの色が濃すぎるところで、
特殊メイクでお互いのギャップを減らす工夫はしているものの、
やはり同一人物には思えなかった。
銃を扱うシーンでもあまりにもブルース・ウィリス的すぎて
そこだけ「ダイ・ハード」のキャラクターが入り込んだような印象を受けた。
これならジョゼフ・ゴードン=レヴィットに
年寄り用のメイクをした方が効果的だったように思える。
とはいえ、演出もテンポも素晴らしく、現代っぽさを残したSFの世界観も良い。
タイムトラベルと超能力、新しいビジネスという要素を盛り込みつつも
最後に綺麗にまとまっていく筋書きのデキの良さをぜひ味わって欲しい。