マンガ家としてのデビューを目指す若者が
表現の自由を極端に奪われていく世の中の変化を感じていく話。
前半は非常に面白く、無駄な要素をそぎ落としたテンポのいい展開で
冒頭から一気にストーリーに引き込まれた。
現実に起こり得る表現規制の流れに
実際に起こった過去の出来事を合わせてリアリティを出している。
話の展開に主人公の描くマンガの内容が重ね合わせられ、
徐々に追い詰められていく様子がシンクロしているのもうまい。
残念なのは中盤以降、妙に理屈っぽくなって面白味が減ることと、
どうにも消化不良な結末だ。
どうにかして状況を好転してくれることを期待していただけに
守りに入ってしまうやり方が解決と言えるのかスッキリしなかった。