いろいろな学校で問題となっているイジメに関して、
脳科学や社会性の面からその原因を解説したもの。
イジメに関する不道徳感や指導法に焦点を当てるのではなく、
イジメが起こる必要性やメカニズムを説明していく。
「集団生活を送る上でメリットがあるからイジメが起こる」
というアプローチは面白く、なるほどと思わせてくれる。
ただ、第4章で語られるイジメ回避策は
「地味な格好をする」「短所をアピールする」
「親密になりすぎない」など後ろ向きなものばかりで、
どうにも実行する気になれない。
効果があると思われる対策も
「休学・転校する」「監視カメラを設置する」など
新たな発見が得られるものがなかった。
イジメの原理を理解する意味では興味深かったものの、
デメリットの少ない解決法が提示されなかったのは残念。