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カールじいさんの空飛ぶ家

もはやCGアニメの老舗となったピクサーの新作。
タイトルやパッケージなどからもわかる通り、
風船を付けた家で空を飛んでいく話なのだが、
これが素晴らしいデキ。今まで観たCGアニメの中でも屈指の内容。

冒頭で過去のシーンが回想として流れるのだが
それだけでもぐっときてしまうほどの展開で、
セリフがほとんど出てこないにも関わらず
夫婦の背景が読み取れるところがとにかく良い。音楽も良い。
テンポが早い上に場面もどんどん飛ぶのだが、
それでもその間に何が起こったかがきちんと想像できるのも見事。

老人となり、やや偏屈気味ではあるが
要所要所で感じられる妻への絶対的な愛情に、またもやぐっとくる。
すべては妻のため、妻との思い出のため、という気持ちを
うるさくない程度に感じさせてくれるし、
登場するキャラクターも活き活きとしている。吹き替えも自然。

ついにCGアニメもここまで来たか、と感じるほどで
実写でもアニメでもこの感激は表現できなかっただろう。
CGとしての自然な物理運動の挙動や材質の表現はリアルだが、
アニメだからこそ許せる非現実な部分や楽しいノリもある。

とにかく観ないのは絶対に損。
非常に完成度が高く、押しつけがましくない感動がある。

同時上映された5分ほどの短編アニメ「晴れときどきくもり」もなかなかいいデキ。

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