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ブラック・スワン

「白鳥の湖」をテーマにした舞台を前に、、
白鳥と黒鳥の1人2役を割り当てられたバレリーナが苦悩する話。

バレエを題材にした話によくある役柄を取り合う話ではなく、
自分の役柄がうまく演じられない主人公が
それについて苦悩し、ノイローゼに陥っていく流れ。

とにかく素晴らしいデキで、プレッシャーと自己嫌悪で悩み、
どんどん現実との区別がつかなくなっていく演出が見事。
これだけたくさんの鏡が出てくるのも関わらず、
カメラがまったく映り込まないだけでなく、鏡を活かした演出も光っている。

主人公が手に入れたい生き様を持った悪友が
徹底して黒い服装、濃いメイクでフェロモンを振りまき、
対する主人公が白い服装を身にまとい、弱気で真面目に過ごす対比も良い。

極端に嫌な登場人物が出てこないシナリオもよくできていて、
主人公は誰かにイジめられているわけでもなく
誰かに騙されているわけでもない。あくまで自分自身で深みに陥っていく。

観ている方も何が現実で何が妄想かわからなくなり、
どんどん主人公と同化していく。その見せ方がとにかく素晴らしい。
まさに白鳥だった主人公が黒く染まっていくよう。
特撮技術の使い方も非常にうまい。

ラストもダラダラと引っ張ることなく、最高の瞬間でスタッフロールが始まる。
後半の1時間から最後の大舞台にかけては
まさに息をのむジェットコースター感を味わえる。強くオススメ。

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