元イギリス首相の自叙伝のゴーストライターが不審な死を遂げ、
その後釜になった主人公が徐々に隠された陰謀に近づいていくサスペンス。
じわりじわりと真相に近づいていく展開で
大きな謎が少しずつ解けていく静かな迫力が魅力。
ただ、人によっては中だるみを感じるかもしれない。
架空の設定ではあるが、現実の政治をモチーフとしており、
トニー・ブレア元首相とその周辺の歴史的事実について知っていないと
真の面白味が味わえない。
そういった意味で政治関係に詳しくない人にはインパクトが薄く、
やや退屈な作品に思えるかもしれない。
派手な銃撃や格闘戦はないが、むしろそれこそがリアルであり、
大きな力により情報が隠蔽されている雰囲気がある。
カーナビや手書きメモ、大量の原稿用紙などの小道具を
非常にうまく活用した演出や、
独特の世界観をかもし出すカメラワークなど、
映画好きにはグッとくる完成度の部分が多く、通好みの作品。