大半の住民が高齢者となった小さな村で
ちょっとしたことから
人間関係が崩れていく様子を描いたもの。
脇役まで含めてキャスティングが絶妙で、
どの人物も非常に存在感があり、リアリティを感じる。
それに加えて緊迫感が続く雰囲気と引きの強さで
最後まで退屈せずに観ることができた。
ただ、肝心の少女誘拐事件については明確な描写がなく、
宙ぶらりんの状態のまま終わってしまったのは残念。
反面、妻を亡くした養蜂家のエピソードは
ジェットコースターのような勢いのある展開で
一気に最後まで描かれていてよかった。
いずれも田舎特有の閉鎖的な空気や
強い同調圧力がテーマになっていて、
ちょっとしたきっかけさえあれば
たとえ筋の通っていないことでも
一気に集団で勢いづく怖さが伝わってくる。
限界集落という狭い世界でのヒヤヒヤした雰囲気が味わえるが、
主人公が3人いる割にエピソードに関係がなく、
あまり意味のある構成になっていなかったのが惜しい。