あまり興味がないまま野球部の応援に来た高校生たちが
試合を観ながらいろいろなことを語っていく話。
いかにも劇団が手掛けたというような作風で、
高校野球を題材にしながらも選手や試合は一切映し出されず、
観客席の片隅で傍観している数人だけが登場する会話劇。
割とスロースタートな筋書きなので
序盤はグダグダとした雰囲気が退屈に感じるが、
徐々に生徒同士の関係性が見えてきて面白くなってくる。
それぞれのキャラクターに合ったキャスティングが素晴らしく、
トボけたやり取りが息抜きになっていて面白い。
ずっと同じ絵面なので派手さもインパクトもないが、
すべての要素が気持ちよくまとまっていく終盤は
なかなかの盛り上がりを見せ、
それぞれの努力が報われていく後味のいい良作。
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