購入を検討している中古物件の間取りに
妙な空間を見つけたという相談から始まるホラー。
一戸建ての間取り図から推理を巡らせ、
いろいろな情報を明らかにしていく流れが新鮮。
家の造りを上から見た平面図なのに
そこから立体的な構造を想像していくのも面白い。
小説らしい情景描写がほとんどなく
筆者のモノローグと会話文が中心なので、
サクサクとテンポよく読み進められる。
ただ、後半になると家そのものから家系の話題に移ってしまい、
あまりにややこしい人間関係が会話だけで展開されるため、
筋書きの面白さより理解の面倒くささが上回ってしまった。
あまり風呂敷を広げ過ぎず、
もう少し現実味のある範囲でまとめて欲しかった。
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