幼い頃から相撲の英才教育を受けながらも
体格や腕力に恵まれなかった中学生が
カエルを神様と崇める村に引っ越す話。
相撲に詳しくない人でも
その奥深さがわかる主人公の解説に感心するし、
それでいてカエルを神扱いして
挨拶したり会話するような特殊な世界観、
さらに殺人事件まで絡んでくるというバラバラの要素が
絶妙に融合されていて違和感なく楽しめるのが素晴らしい。
それぞれ単独でも作品になりそうな個性的な内容なのに
ジワジワと絡んできて結末に向かっていき、
たった3巻でうまく完結するという構成が見事。
嫌なキャラクターが出てこないのに緊迫感にあふれ、
好奇心を次々と刺激される斬新な展開と
いろいろな伏線を綺麗に回収する素晴らしい傑作だった。