実際の形を誤解させて見せる錯視(錯覚)が
どういう原理で起こっているのかを
数学の観点から解説したもの。
特に立体物に対する錯視に限定して
脳が誤認識する状態を図や数式で示していく。
第1章から第3章は数学の比重が大きく、
その方面に詳しくないと理解できないが、
第4章からは具体的な錯視を例に解説するので
数式部分を読み飛ばしても楽しめるようになっている。
以降も数学的理屈の濃度を変えながら
世の中で見られる錯視の仕組みが分析されているので
不思議に感じる現象の原理がわかって面白い。
座標や直線、ベクトルや行列に関する数式が頻出するので
そのあたりがわからないと内容が薄くなってしまうが、
錯視を数学的に解釈するというテーマは新鮮だった。