余命わずかな母親から、死ぬまでの様子を
動画で撮影して欲しいと頼まれた少年が
映画好きの少女と親しくなっていく話。
ひたすら主人公の視点で物語が進行し、
ほぼ同じコマ割りの効果もあって
ビデオカメラを通した撮影用の設定なのか
少年の目を通した現実の話なのかが
たびたびわからなくなる構成がポイント。
感情移入して読んでいると
ある時点でひとつ外の枠に出る不思議な造りだが、
意味深なだけの中身のないストーリーに思えて
そこまで魅力がわからなかった。
「チェンソーマン」の作者による短編という先入観がなければ
脈略のない筋書きで惹かれるところがないように思う。