高齢者による車の暴走事故で夫を失い、
コロナ禍による不況の煽りを受ける中で
なんとか息子との生活を支えようとする女性の話。
いろいろな場所で理不尽な扱いを受ける上に
次々と不幸が重なっていく様子が痛々しいが、
各場面の見せ方や表現方法が非常にうまく、
冒頭から一気に引き込まれる迫力がある。
リアルな不快感が伝わってくるキャスティングが絶妙で、
そういった迫害を受けながらも
弱者が必死で生き抜こうする姿を追いかけてしまう。
不幸の元凶たちに痛い目を見せずに終わるのは悔いが残るが、
立場が弱くても芯が強い人間の姿が味わえる作品。