1980年代後半から1990年代にかけて発行されていた
アーケードゲーム専門誌「ゲーメスト」の元編集長が、
「グラディウス」「魔界村」「ストリートファイター2」
「WORLD CLUB Champion Football」「NINJA GAIDEN」
「シュタインズ・ゲート」「スカイリム」の7本のゲームについて、
世間に大きなインパクトを与えた理由や
のちに生まれた作品との関連性を考察したもの。
1作品あたり50ページでじっくりと掘り下げられており
当時の人気や他作品への影響は納得できるものばかり。
単なる取材ではなく、いろいろなゲームをプレイしてきた筆者だからこそ
当時の生々しい様子が文面から伝わってきて感慨深い。
ゲームの歴史的に大きな意味を持つ作品といえば
マリオやドラクエのようなタイトルが思い浮かぶところだが、
アーケードゲームを中心に追いかけてきた筆者だけあって
なかなか通好みな7本が選ばれているのも面白い。
題材になっているのは数十年前の古い作品ばかりだが
それぞれがしっかりと練られていることに感心させられるし、
ゲーム作りをするときにどういうことまで考える必要があるのかが
かなり細かく読み取れるので、今の開発者たちにも参考になる。
ただし、画面写真などは掲載されていないので
タイトルや仕様を読んだだけでゲームの映像が思い返せるような人向け。
まったく知らない作品を文章だけで想像するのはかなり厳しいだろう。
また、ごく稀に出てくる図がどれも妙にわかりづらいのも残念。
挙げられている7作品のうちいくつかのプレイ経験がある人なら
かなり読み応えのある内容で、一読する価値は十分にある。
特にゲーム開発に関わる人にはオススメしたい1冊。