不幸な生い立ちでありながら
いつもニコニコと働くお人好しの男性が
いろいろな問題に巻き込まれる話。
母親と生き別れた上に父親にも捨てられ、
とことん辛い境遇を描きながらも
阿部サダヲ演じる主人公の人柄が微笑ましく、
不幸な状況でも不思議と笑える作風なのは新鮮。
次々と舞い込むトラブルも
その明るさと前向きさで乗り越えていくので
落ち込むことなく観ていられるのも気楽でよい。
ただ、この内容で130分を超えるのは長すぎる印象で、
父親や弟のエピソードはもっと省いてよかったように思う。
商店街周辺の身近な問題が描かれる前半の方が
テンポがよくて魅力的に感じる部分が多かった。
悲劇的な内容を楽観的に描くという点はよかったが、
後半の失速と蛇足感のせいで満足度が下がったのが残念。