逢いたくて、島耕作＜１～３巻＞ - レビューブログ【レブログ！】

マンガ「課長島耕作」シリーズを崇拝する若者が
その世界の社員として転送されてしまい、
状況を好転させようと四苦八苦する話。

40年以上も続く長寿作品をもとにしたパロディとなっており、
細かいエピソードや登場人物をベースにした展開が随所にあるので
原作を読んでいないと面白さが味わえないが、
主人公同様に伝わってくる作者の島耕作愛に感心させられる。

一種のタイムスリップものなのだが、
原作のちょっとした描写から時間軸や人間関係を推測したり、
マンガで描かれていない部分は歴史を改変できるなど
現実ではなく創作物を土台にしている設定がうまく活きている。

コマが大きいのでページの消耗が激しいかと思ったが、
原作をとことん読み込んでいるマニアネタの応酬によって
かなり濃密な読み応えを感じることができた。

ターゲット層はかなり限定されるが、
島耕作シリーズが好きな人は一読してみて欲しい。