川のほとりに建つある旅館を舞台に
同じ２分間を何度も繰り返してしまう人々を描いた話。
同じ時間をループする物語は珍しくないが、
複数の人間が記憶を残したまま繰り返す設定は新しく、
感覚は継続しているのに状況がリセットされるのが面白い。
「ドロステのはてで僕ら」と同じ制作陣なので
俳優たちの顔ぶれも大半が共通しているが、
劇団員ということもあってキャラクターに人間臭さがあり、
彼らの言動がいちいち共感できて楽しい。
旅館の構造と限られた人間関係をうまく使った構成と、
ひとつのループ中はワンカットで撮影されており、
１人の仲居の視点で流れるように映していくのは見事。
「ドロステ～」ほどのインパクトはないものの、
日常を切り取ったSFとして一定の満足は得られた。
