奴隷制度が根強く残る19世紀のアメリカで
誤って奴隷として売られてしまった黒人男性の話。
召使いとして働かされるだけでなく、
あらゆる面で虐げられる奴隷の姿が強烈で、
家畜や所有物として好き勝手に扱われる当時の様子が
かなり生々しく描かれている。
字の読み書きができて楽器も弾ける教養の高い主人公だが、
ほとんど自由のない奴隷生活から逃げ出す手段がなく、
危なっかしい日々が続く様子にヒヤヒヤさせられる。
目を背けたくなるような痛々しい場面の多い作品だが、
映画としての構成と見せ方が非常にうまく、
緊迫感を途切らさずに最後まで一気に観ることができる。
当時、黒人奴隷がどういう存在だったのかを
リアルに覗き見ることができる良作。
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