ゲイであることを誰にも明かせず思い悩む高校生の話。
陰口が飛び交う学校裏サイトの存在もあって
カミングアウトする勇気がなかなか出せず、
親友にも家族にも言えないまま悩み続ける主人公が
ひたすら痛々しくて感情移入してしまう。
デリカシーのない同級生の空気の読めなさと自己中ぶりも
主人公の居心地の悪さを加速させる存在として効果を上げており、
思いやりのある親友たちを裏切ってしまう展開に
強い切なさが感じられてまたグッとくる。
思春期の若者や同性愛者の不安がリアルに描かれており、
いろいろな種類の青春が感じられる良作だった。