障害者施設で働き始めた女性が見た
入所者の様子や疲弊した職員を描いた話。
まともな会話が成立しない障害者たちの対応に
日々ストレスをためているスタッフが
いろいろな歪み方をしているのが生々しく、
多くの人が見ないようにしている社会の闇が
大きくクローズアップされている。
普段あまり報われることがない立場の者が
より弱い存在を叩く場面がリアルに描かれており、
そういった人間の嫌な部分がテーマになっている。
実際に起きた事件に向かって徐々に話が進んでいくが、
山場といえる部分が少ない筋書きなので
もう少しテンポよく展開して欲しかったところ。
非常に見応えのある内容だが、
息苦しい作風なので人を選ぶだろう。