母親の影響で電車に乗ったことがない女子高生が
数人の鉄道マニアたちとともに乗る列車の中で
殺人事件に遭遇する話。
わずかな人数しか乗っていない上に
電車という閉鎖空間で起きた殺人事件について
ジワジワと真相に近づいていく展開だが、
佐々木倫子特有のノリの軽い登場人物が
シリアスな状況とイマイチ合わなかったり、
話が頻繁に脱線してテンポが悪いのが残念。
上巻の最後に明かされる幻夜号の秘密や
下巻後半で一気に究明される真相は刺激的だったが、
ミステリーとして骨太な原作に対して
ギャーギャー騒いでうるさい鉄道マニアたちがノイズでしかなく、
マンガとしての軽い作風との相性が悪かったように思う。