小豆島の海辺に暮らす筆者が
1頭のヤギを飼い始めてからの日常をまとめたエッセイ。
一般的な人たちと同様にヤギの生態をあまり知らない筆者が
いろいろと試行錯誤しながら過ごした日々の記録だが、
犬や猫とは大きく違う反応を見せるヤギの
一挙手一投足が感じられて予想以上に読み応えがある。
普通のペットとは違うさまざまな苦労に同情しつつも
筆者のヤギに対する愛情がしっかり伝わってきて
どのエピソードを読んでも微笑ましい気持ちになる。
雑誌に定期連載されていた原稿だからか
ひとつひとつの区切りが適度なボリュームで読みやすく、
ヤギとの生活をリアルに追体験できる良作エッセイだった。