人付き合いが苦手で劣等感の強い主人公と
その親友で運動神経抜群の人気者と
おとなしくて目立たない女子生徒の
それぞれの恋愛模様を描いた話。
恋愛が成就するよう協力していた相手に
徐々に恋心を抱いてしまうというよくある設定なのだが、
主要な登場人物のキャラクターが非常に魅力的で
それぞれに感情移入してしまう没入感が素晴らしい。
高校生らしい不器用な部分が微笑ましくも切なかったり、
いろいろな悩みを通して人間的に成長する様子が
まさに青春といった雰囲気でグッとくる。
そろそろ終わるのかと思うほど盛り上がった後も
2度3度と山場が用意されており、
すべての関係者をうまく使って
展開していくストーリー構成は本当に見事。
性別に関するさまざまな価値観を題材にしつつ
全8巻でしっかりした読み応えを感じる良作。