首都圏から距離のある地域に住む女子生徒で
成績優秀ながら東京大学に進学する割合が低い理由を
いろいろなアンケート調査をもとに分析したもの。
実際に地方出身で東京大学に進学した2人の女性が
自分が見聞きした経験をもとに疑問を持ち、
女子学生の進学に影響する要素を考察していく。
全体的に冷静で論理的な語り口になっており、
ヒステリックにフェミニズムを主張するのではなく
純粋な現状分析がされていて説得力があるし、
仮説に対する裏付けも筋が通っていて納得できる。
チャプターが細かく分かれているおかげで
本としても非常にテンポよく読めるし、
有能な女性の将来性が失われている問題に
強い危機感を感じさせてくれる。
実際に娘を持つ保護者だけでなく、
子供たちの進学に関わる教育関係者や
偏った男女比率を整えたい団体関係者など
いろいろな人の参考になる1冊。