作品情報：
https://www.samutai.net
江戸時代末期から現代にタイムスリップしてしまった侍が
時代劇の撮影関係者と交流を深めていく話。
テレビの撮影現場に紛れ込んでしまう序盤は
ほぼ予想通りの展開で進んでいくが、
2000年代の生活様式にいちいち驚く主人公が面白く、
実直で礼儀正しい言動も感情移入しやすい。
武士なら殺陣（たて）もうまいだろうという発想は単純だが、
実際に刀の扱いや身のこなしが見事で説得力があるし、
斬られ役の苦労も伝わってきて面白い。
実力が少しずつ認められていく主人公を応援したくなる。
そろそろ終わりそうな雰囲気になったあとに
もうひと盛り上がりさせてくれる構成もうまく、
異文化に戸惑うコメディから幕末の武士の生き様に
見どころがスムーズに移行する展開が素晴らしい。
活き活きとした関西弁による笑いのテンポが絶妙で
コミカルな要素とシリアスな場面のバランスがいいし、
意地悪なキャラクターがいないのも観やすい。
白熱するクライマックスから最後のオチの付け方まで
非常に高い完成度でまとめられた傑作。
