目が見えないながらも鍼治療の腕を買われて
宮廷で働くことになった若者が
とある事件に巻き込まれていく話。
人間関係がつかみづらくて戸惑う部分はあるが、
盲目であることで鍼師としての腕や目撃証言が
なかなか信じてもらえないという設定が非常に活きており、
主人公の実力が認められていく気持ちよさから
トラブルに陥っていく怖さまでずっと引き込まれる。
中盤で明かされる秘密からタイトルの意味がわかり、
その要素が長所と短所の両方の効果を生みながら
クライマックスに向けて盛り上げていくところも素晴らしい。
あまり馴染みのない世界観だが、
完成度の高いサスペンススリラーの良作。