廃刊寸前の雑誌「LIFE」で働く冴えない中年男性が
失われた1枚のフィルムを探すために旅に出る話。
真面目ではあるが平凡で地味な主人公だが、
ふとした瞬間に妄想してしまうアクション映画ばりの派手な行動が
実際に映像として展開されるのはインパクトも大きくて面白い。
あまり生きがいを感じていなかった日々が
フィルム探しの旅を経験したことで変化していくのはよかったが、
どの場面を抜いても支障がないほどエピソードのつながりが弱いのは残念。
また、いろいろな問題が解決できていないままという控えめな筋書きは
やや消化不良な想いが残った。中だるみも感じた。
本作の一番の問題はナインティナイン岡村隆史による主人公の吹き替えだろう。
声優としての完成度にも不満だし、関西弁そのままの話し方は
吹き替えコントでも観ているような気分になってしまって感情移入を妨げた。
美しい風景や素晴らしい音楽、平凡な中年のリアルな想いはよかったが、
内容に対して時間が長く、感動を感じるまでにダレてしまった。