NTTドコモの携帯電話のサービスである「i-mode」に関して、
立ち上げに関わった女性の視点からリリースまでの多大な苦労を語った話。
巨大企業のNTTにいながら異端児として見られていたチームが
徐々に成功へと近づいていく流れは非常に面白い。
このタイプの本は技術的な問題や解決の説明に終始しがちだが、
筆者自身が技術関係に弱いところが功を奏しており、
人材発掘や交渉術、作戦内容などに比重が置かれている。
テンポもよく、感情移入しやすい語りで
革新的なサービスの実現を目指すときに
いかに周囲の理解を得るのが大変だったかが伝わってくる。
iモードのサービス開始が1999年なので
今、「ガラケー」と呼ばれている当時のケータイの事情を知らないと
この本の面白さや醍醐味は理解できないだろう。
ドコモ、J-Phone、セルラーが争っていた時代を知っている人に。