人間を3つのタイプに分け、
それぞれの特性と効果について解説した本。
他人のメリットを考えて行動するGiverと
自分の利益を考えて行動するTaker、
損得のバランスを意識するMatcherの3種類の人間が
仕事をする上でどう異なる結果を生むかを説明していく。
「情けは人の為ならず」ということわざを表したような内容で、
周囲の人に惜しみなく与える優秀なGiverは
結果的に自分自身も得をする、という主張が続く。
本書の大半はGiver、もしくはTakerの事例紹介に費やされるが、
教訓を感じられる短いエピソードがたくさん詰まっているので
読み物としても面白い。
社会人なら、周囲の人をGiverタイプとTakerタイプに分けながら
思い浮かべてしまうだろう。
気になったのはGiverやTakerを区別する方法が不明な点で、
成功した人たちが都合よくGiver扱いになるように
後付けで選別していないか勘ぐってしまう。
とはいえ、Giverとしての振る舞いを推奨し、
自分を含む全体の成功を導くという発想は面白い。
自分の利益に執着するのではなく、
自分と関わった人の満足度を高めるような行動をする方が
幸福の総和が増すという考え方には強く共感した。
ビジネスマンに前向きで利他的な仕事の仕方を促すきっかけとなる本。
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