父親を殺した罪に問われた少年の裁判において
陪審員である12人の男性が議論していく話。
誰から見ても有罪と思われた状況において
小さな反論から徐々にいろいろな疑念に着目していく。
わずかな情報から新たな視点を導き出す理詰めの部分が最高に面白く、
事件に対するイメージがどんどん変化していく自分に驚く。
また、ひとつの部屋だけで展開していく密室劇となっており、
事件当日の様子が一切映像化されないところが想像をかき立てる。
12人もの登場人物がいながら90分あまりで完結するテンポの良さで、
順にスポットが当たっていくことでそれぞれのキャラクターが見えてくる。
1957年の古い白黒映画だが、想像をかき立てる理屈の応酬で
徐々に全貌が見えてくる快感が味わえる屈指の名作。オススメ。
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12人の優しい日本人(パロディ映画)