白い巨塔＜2003年テレビドラマ版・全21話＞

白い巨塔

大学病院の中で教授をめぐる権力争いや
地位に溺れていく医師たちを描いたドラマ。
何度も実写化されている作品だが、
本作は唐沢寿明が主演する４作目となる。

「白い巨塔」シリーズは初めて観たが、他の医療ドラマとは違って
大学病院独特の強烈な縦社会と院内政治が色濃く描かれている。
技術と人望さえあれば周囲から認められる、というものではなく
さまざまな思惑や人間関係、汚いやり口を使わないと
まともに出世できないことなどが表現されていて興味深い。

教授の席を目指して上り詰めていく第１部よりも
第２部（第11話以降）からの方が俄然面白くなった。
今までの流れが伏線として活きてきていちいちグッと来る。

正義感や良心にあふれた登場人物はほとんどおらず、
ひたすら人間の汚い部分を見せつけられるが、
そういう世界を描くためのキャスティングが素晴らしい。
どの人物も見事なハマり役で、その役の内面まで伝わってくる。

回が進むたびに目が離せなくなり、
２人の主人公にどんどん感情移入しながら観てしまった。