レビューブログ【レブログ!】

映画、アニメ、ドラマ、マンガ、書籍、英語読書の感想(ネタバレなし)が6000件以上!


天幕(てんまく)のジャードゥーガル<1巻>

13世紀のモンゴルを舞台に
奴隷として売られた少女の人生を描いた話。


あまり見聞きすることのないモンゴルの歴史を
題材にした作品という意味では新鮮だが、
登場人物が次々に出てくる上に
デフォルメ気味のタッチのせいで
顔の区別がしづらく、情報過多に感じてしまった。


要所要所で出てくる知的雑学は面白かったが、
ストーリーやキャラクターには
残念ながらあまり入り込めなかった。

しょせん他人事ですから -とある弁護士の本音の仕事-<1~6巻>

インターネットでの炎上やSNSのトラブルなど
現代社会でよく起こる問題に対して
ドライな感覚の弁護士が取り組んでいく話。


世間でよく話題になるネット絡みのトラブルに関して
事件の発生具合がリアルに描かれており、
関連する法律や対処方法が非常によくわかる。


ひとつの事件が1冊程度で解決するのもテンポがいいし、
悪事を働いた側が罰を受ける展開も痛快。
気軽な気持ちでやった行為が
大問題に発展する事例がいくつも追体験できる内容。


インターネットに触れる以上、
誰もが知っておくべき内容が詰まっており、
若者を中心に多くの人に一読を勧めたい。

きょうの横山家<1巻>

夫婦ともに漫画家である男性の
家族との日常を描いた話。


ネット上に掲載されていた数ページを読んだときには
それなりに魅力を感じたものの、
単行本で一気に読むと内輪ネタ感が強く、
筆者の家族によほど興味がなければあまり面白くない。


チャプター間に挿入されているブログの文章も
どのマンガに対するものなのかが非常にわかりにくく、
なぜこんな構成になっているのか謎でしかない。


個人のブログに掲載されている絵日記なら贅沢だが、
コミックエッセイとしては内容が平凡すぎて
わざわざ買って読むほどではなかった。

君と宇宙を歩くために<1巻>

勉強が苦手で授業を聞き流していたヤンキー少年が
変わり者の転校生と接するうちに
徐々に生きがいを見つけていく話。


独特の言動と感覚過敏などの反応から
発達障害であることが伝わってくる転校生だが、
彼に興味を持ったヤンキー少年が
歩み寄っていくことで生まれる友情にグッとくる。


また、アルバイトも勉強もうまくいかず、
毎日を投げやりに過ごしていたヤンキー少年の方も
転校生に感化されて行動を変えていくことで
徐々に周囲に受け入れられていく展開も泣ける。


周囲から浮いてしまうキャラクターが多く登場するが、
彼らの心情をリアルに描き、
みんなが少しずつ幸せになっていく様子に
何度も感動させられる傑作。

エイハブ

高値で取引される鯨油(げいゆ)を目当てに
巨大なクジラを狩る捕鯨船員たちを描いた話。


海外小説「白鯨」をマンガ化したもので、
相当に長い原作が1冊のマンガに構成されていて読みやすい。


文字通り、命をかけた捕鯨の様子が
かなりの迫力で描かれていて、
その巨体とパワーで次々と船員が死んでいくのが恐ろしい。


戦略や戦術といった捕鯨を成功させる技の部分は味わえないが、
捕鯨の危険や主人公の執着心が伝わってくる作品。

タイムスリップオタガール<全8巻>

30歳になっても同人誌を買い、
アニメやマンガが大好きな独身女性が
中学2年生だった17年前の自分に戻って
当時の日々を再び体験していく話。


2013年から1996年にタイムスリップし、
数々の名作が現役で連載・放送していることに
感激するオタクらしい姿も面白いが、
本作の醍醐味は中学生が過ごす毎日が
素晴らしく魅力的に描かれているところにある。


中学生だと未熟さや妙なプライド、
周囲の目を気にしてしまいそうな言動でも
30歳の主人公は気にせず行うことができ、
それが人間としての魅力を増すことにつながるのが面白い。


いろいろなことを楽しみ、ポジティブに過ごすことが
自身の印象を変え、周囲にも好影響をもたらし、
結果的に自分が望んでいた方向に
状況が変わっていくという展開が気持ちいい。


少し不穏な展開になっても
短期間で前向きな結末に落ち着くので
読んでて辛い気持ちになることが少ない。
ずっと続けることもできそうな筋書きではあるが、
全8巻という絶妙なボリュームで終わらせたのも潔い。


作品名が伏せ字になっているのはかなり残念だが、
1990年代のネタがたくさん出てくるので
近い世代には懐かしくて共感できる部分が多いし、
オタクの琴線に触れるシチュエーションが妙にリアル。


学生時代の日々がいかに貴重なものなのかを
あらためて再認識させてくれる傑作。

恋とか夢とかてんてんてん<1巻>

生きがいらしい生きがいも見つからず
アルバイトをしながら惰性的に過ごしていた女性が
憧れの男性に近づくために行動を起こしていく話。


いろいろな欲求を抱えながらも
それを強く主張することができない様子や、
恋愛に対して淡い期待を抱きながら悶々とする場面が
女性の心理をかなりリアルに表している。


客観的に見ると愚行でしかないのに
冷静さを失ってどんどん暴走してしまう
主人公の痛々しさこそが本作の醍醐味。


かわいらしい絵柄に反して
登場人物たちの生々しい言動が
読んでいる者の心をえぐってくる作品。

お嬢様 投資をはじめる!<全3巻>

資産家の娘と証券会社で働く女性が
いろいろな金融商品について議論する話。


投資について初心者に説明する入門マンガかと思いきや
ある程度の予備知識がある人向けに
俯瞰的な視点から解説する内容で、中級者こそ勉強になる。


ただ、ざっくりした意見ばかりで歯切れが悪かったり、
「株価は上がるか下がるかだから勝率は2分の1」など
あまりに乱暴な理屈が示されるところは残念。
同じ髪色のキャラクターが見分けにくいのもマンガとしてはイマイチ。


投資の知識を得るというより
それらを題材にしたエッセイとして割り切った方がいいが、
株式投資について異なるとらえ方をするきっかけになる本。

ドラえもん プラス<全7巻>

さまざまな学習雑誌に連載されていた「ドラえもん」だが、
作者自身が選んで構成したてんとう虫コミックス版と区別する形で
藤子・F・不二雄の死去後に選出された作品をまとめたもの。


1970年代から1990年代まで掲載時期は幅広いが、
夢のあるものから皮肉が効いたものまで
本編と同様の読み心地で楽しめる。


中には代表的なひみつ道具である
「グルメテーブルかけ」のエピソードもあるため、
ファンならぜひ目を通しておきたいところ。


【関連作品のレビュー】
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映画ドラえもん のび太と奇跡の島 -アニマル アドベンチャー-(アニメ)
映画ドラえもん のび太のひみつ道具博物館(アニメ)
映画ドラえもん 新・のび太の大魔境 -ペコと5人の探検隊-(2014年公開版アニメ)
映画ドラえもん のび太の宇宙英雄記(アニメ)
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DORAEMON : Gadget Cat from the Future(英語版マンガ)
ドラえもん物語 ~藤子・F・不二雄先生の背中~(マンガ)
まんが道(実写ドラマ)
まんが道 青春編(実写ドラマ)


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たまに取り出せる褒め

自分のふとした行動について
他人から褒められた想い出を集めたもの。


本人がそこまで意気込んでいないときに
他人から予想外に評価されたというエピソードが多く、
褒められることの喜びが純粋に描かれていて
読んでいる方まで幸せになる。


唐突に訪れた自己肯定感が
風が吹く演出になっているところにグッとくるし、
定期的に思い出して噛みしめるほど
支えになった一言を発した人も素晴らしい。


すぐに読み終えてしまうボリュームなのは残念だが、
誰かの幸せな瞬間を追体験できる良作。


【関連作品のレビュー】
君たちが子供であるのと同じく(マンガ)
りんごかもしれない(絵本)
佐久間宣行のずるい仕事術(書籍)


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