レビューブログ【レブログ!】

映画、アニメ、ドラマ、マンガ、書籍、英語読書の感想(ネタバレなし)が6000件以上!


マンガでわかる行動経済学

人々の行動を心理面から分析する「行動経済学」を解説したもの。


特定の状況における人間の行動心理を解説するが、
「マンガでわかる」というタイトルでありながら
マンガ部分は直前の文章で説明した内容をなぞっただけでしかない。


マンガの内容が丸っきり文章の解説と同じなので
実質的にはページ数の半分の中身しかなく、
これなら文章だけの構成にして欲しかった。


わざわざ読む価値がない本で、
行動経済学についてマンガで理解したいなら
ヘンテコノミクス」の方をオススメする。

英語多読 すべての悩みは量が解決する!

英語力をつけるために
難易度の低い英語本をたくさん読む「多読」を推奨する本。


前半は多読のやり方と効果が解説され、
後半で多読に適した作品の紹介と質疑応答が展開されるので、
多読に関してまったく取り組んだことがない人でも
その方法や意義が理解できるようになっている。


実際にたくさんの英語読書をこなしてきたが、
数十冊をこなしたあたりで語彙力や読解速度が伸び、
英語に対する抵抗力がぐっと減ることが実感できた。


多読トレーニングについて
有益さを理解している人やすでに始めている人には薄い内容だが、
ほとんど知らない人のための入門書としては悪くない。

謎検 過去問題&練習問題集<2019春>

謎解きイベントの企画で有名な
SCRAPが主催するオンライン検定試験、
謎解き能力検定」の過去問題集。


2018年11月に開催された第4回謎検の50問と
練習問題40問が収録されている。


Kindle版もあるが、メモをしたり
マスに書き込んだりすることを考えると
直接書き込んでしまえる書籍版の方が扱いやすい。


腑に落ちない問題がいくつか混ざっており、
特に、別の問題を参照しないと解けないものは
脈絡がなさすぎてかなり理不尽に感じられた。


全部で2時間ほどで解き終わるが
リアル脱出ゲームで出題されるような
勘の良さや発想が試される問題ばかりなので、
そういったものに取り組むのが好きな人は
謎検そのものに興味がなくても十分楽しめる。


mclover.hateblo.jp

自分の頭で考える

話題となった「ハズキルーペ」のCMの指揮を執り、
いろいろな企業の買収や立て直しを手掛けた実業家・松村謙三が
自身の考えや判断基準をまとめたもの。


前半はハズキルーペのCMが生まれた経緯が書かれているため、
「プレゼン編」「銀座クラブ編」「舞台リハーサル編」の3本を
知っている方が理解しやすい。


商品名とウリをストレートに訴える大胆なCMで
世間に大きなインパクトを与えたハズキルーペだが、
CM業界の先入観や慣習によるさまざまな障害があり、
紆余曲折の上に誕生したことがよくわかる。


プロの立場を尊重し、成果を出す機会を与えながらも
企画意図を実現してくれない結果に憤慨する様子は共感できるし、
自身の考え方を貫き通し、
CMによる費用対効果を最優先した判断が功を奏する結果も清々しい。


後半は企業買収やその立て直しに伴う苦労が語られており、
いろいろな苦労に共感できるとともに
利益を妨げる障害を的確に見極めて削ぎ落とす潔さが参考になる。


ハズキルーペが有名になるよりもずっと前から
実業家として手腕を発揮していたことがわかり、
ビジネス書としては後半の方が読み応えがあって面白い。


特徴的なCMからイロモノの存在に思われやすいが、
さまざまな企業に携わってきた実業家の経験が
裏で支えとなっていることがよくわかる1冊。

黒いマヨネーズ

お笑いコンビ、ブラックマヨネーズの吉田 敬が
自身の生い立ちを踏まえて書いたエッセイ。


誰にでも読みやすい文章だし、
ひとつひとつのエピソードが短めなので手軽に読める。
ただ、爆笑するほど面白いかというとそれほどでもない。


ネガティブな気持ちを正直に訴えている部分は評価できるが、
妄想を垂れ流している部分は全然面白くない。
笑いやスッキリした読み応えがあるわけではないので、
せいぜい卑屈で文句まじりの思いを共感するためのエッセイ。

しょうがっこうがだいすき

小学2年生の女の子が、自身の経験をもとに
小学校入学を控えた子供へのアドバイスを書いた本。


「大きな声で返事ができるようになっておこう」
「勇気を出してお友達に声をかけてみよう」など、
学校生活を充実させる上で実用的な指示とともに
そうすべき理由がきちんと書かれており、
アドバイスに従った方が有益だということがわかる。


新入生のことを本当に考えたものばかりだし、
「人の話を聞けるようになろう」
「難しいと思うことは練習しよう」など、
大人であっても心がけるべき内容にはハッとさせられる。


小学校入学を控えた子供向けということで
ターゲット層はかなり限られるが、
親が読み聞かせをして学校生活の心構えをする本としては最適。

100万回シェアされるコピー

Web上で話題になったさまざまな広告について
その内容や手法を解説したもの。


新聞広告やテレビCMの影響度が下がり、
インターネット上でいかにバズるかが勝負となる広告業界だが、
実際に話題になったいろいろな事例がたくさん紹介されている。


クドクドとした分析が続くのではなく、
具体例をたくさん挙げて
それに当てはまるルールをシンプルに提示していく。


それぞれ写真付きで掲載されているので
その広告を知らない人にとっても
どういう点が優れているのかイメージしやすいし、
ひとつひとつの解説文が短めでテンポよく読めるのもよい。


シェアしたくなるポイントが
どこにあるのかを知ることができる内容で、
広告業務に携わっていない人でも得るものがある1冊。

レンタルなんもしない人のなんもしなかった話

工夫や判断が必要なことは引き受けず、
ただ指示された場所にいるだけのサービスを始めた男性の
日々のTwitter投稿をまとめたもの。


交通費以外の報酬を受け取らないとはいえ
食事に付き合う程度のサービスがどれほど役に立つかと思ったが、
意外にもただ一緒にいて欲しいという需要があることに驚く。


実際に役立っている様子が伝わってくるのは微笑ましいし、
書き込みの端々から作者の考える価値観や
世の中にいろんな人がいることが垣間見えて面白い。


能力を発揮するつもりのない消極的な作者と
表立って主張できない人々が織り成す絶妙な空気感が楽しめる本。

新しい文章力の教室 苦手を得意に変えるナタリー式トレーニング

わかりやすく読みやすい文章を
書き上げていく手順を解説したもの。


音楽をはじめとするニュースサイト「ナタリー」で
記事を量産できるライターになるための方法がまとめられている。
すんなり読める文章を作るためのポイントが
簡潔で論理的に説明されており、
どう書けば文章が改善できるのかが非常にわかりやすい。


1つの項目が2~3ページと短いのでテンポがよく、
例文と改善後の比較が明確だし、
文章がよくなっていることが具体的に体感できるのが素晴らしい。


悪文にしないために押さえるべきポイントが一目瞭然で、
何かを説明する文章を書く人なら必見の教科書。


【関連作品のレビュー】
ナタリーってこうなってたのか

自分の頭で考えて動く部下の育て方

指示待ち人間ではなく、
自分で考えて行動できる人を育てる方法を紹介したもの。


上司が何もかも説明しすぎたり、
優れた見本を見せてしまうのではなく、
業務内容について質問しながら
適切な方向に導いていくという方法は参考になる。


失敗を恐れるあまり行動力が下がったり、
強く言われて萎縮したりする人が多い時代なので、
やり方を相談しながら
自主性を鍛えていくというのは効果的に思える。


部下を持つ上司に限らず、
新人教育の担当者や学生を受け持つ教員など
誰かを育成していく立場の人なら読んでおきたい1冊。

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