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自分の頭で考える

話題となった「ハズキルーペ」のCMの指揮を執り、
いろいろな企業の買収や立て直しを手掛けた実業家・松村謙三が
自身の考えや判断基準をまとめたもの。


前半はハズキルーペのCMが生まれた経緯が書かれているため、
「プレゼン編」「銀座クラブ編」「舞台リハーサル編」の3本を
知っている方が理解しやすい。


商品名とウリをストレートに訴える大胆なCMで
世間に大きなインパクトを与えたハズキルーペだが、
CM業界の先入観や慣習によるさまざまな障害があり、
紆余曲折の上に誕生したことがよくわかる。


プロの立場を尊重し、成果を出す機会を与えながらも
企画意図を実現してくれない結果に憤慨する様子は共感できるし、
自身の考え方を貫き通し、
CMによる費用対効果を最優先した判断が功を奏する結果も清々しい。


後半は企業買収やその立て直しに伴う苦労が語られており、
いろいろな苦労に共感できるとともに
利益を妨げる障害を的確に見極めて削ぎ落とす潔さが参考になる。


ハズキルーペが有名になるよりもずっと前から
実業家として手腕を発揮していたことがわかり、
ビジネス書としては後半の方が読み応えがあって面白い。


特徴的なCMからイロモノの存在に思われやすいが、
さまざまな企業に携わってきた実業家の経験が
裏で支えとなっていることがよくわかる1冊。

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