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告白

告白

告白

  • 松たか子
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ある中学校の終業日、1年生のクラスで担任の女性教師が
とある「告白」をするところから始まる。

普段もこうなんだろうと想像のつく騒々しい教室だったが、
担任の話が普通ではないことを徐々に感じ取り、
次第に静まり返っていく冒頭。

序盤は担任による長い長い説明のみなのだが、
一体なんの話をしているのかというぐらい、
支離滅裂だったバラバラな内容がだんだんと集約されてくるところが素晴らしい。
その告白を聞き、クラスが大騒ぎになったときには
映画を観ている側ももう目が離せなくなっている。

担任の淡々とした態度と冷静さがむしろ恐怖感を煽り、
「彼女は本気である」という説得力につながっている。

担任による告白が終わると、今度は別の登場人物の視点による告白に代わる。
それによって過去の状況がさらに細かく理解でき、
問題の終業日以降の各生徒の状況も語られていく。

各俳優が非常にハマり役で、登場人物の演技から目が離せない。
それぞれが自分の大切なものを守りたいために行動しているのに
バランスが少し崩れているために壊れていくのが素晴らしく怖い。
その原因となっているのが、終業日の告白によって立てられたわずかな波風なのだ。
新任教師の熱血ぶりが空回りしている様子がまた恐ろしく、
告白を聞いた生徒たちだけが、なぜ空回りなのかを理解している。

中学生の頃の独特の未熟さというか、
すべて他人事として片づけようとしたり、脆いプライドが邪魔をしたり、
自分を守ることに必死な様子がまたリアル。

最初から最後までまったく無駄のない脚本。
あまりにも見事なデキ。最高傑作と言える必見の作品。強くオススメ。

mclover.hateblo.jp

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