いつか王子様が現れると信じて動物たちと戯れて過ごす美女が
美しい歌声に惹かれてやってきた王子様と出会う、
ベタベタな展開から始まるディズニー映画。
王子と美女は悪い女王のたくらみで
現実世界のニューヨークへと飛ばされてしまう。
誰もが違和感なく受け入れていた設定であるはずの
動物たちと通じ合い、場所を問わずに歌を歌ったりする無邪気な美女が
現実世界ではいかに浮いた存在になるかというところが面白い。
ディズニーの自虐パロディが多数込められており、
常識人である男性とのやり取りが非常に楽しい。
冒頭のファンタジー部分はディズニーお得意のアニメで始まるが、
ニューヨークを舞台にした場面からは実写となり、
要所要所でのアニメやCGがとにかくうまく融合されている。
アニメで登場したキャラクターが実写化される部分や、
リアルなリスが自然なままコミカルに動くところは素晴らしい。
至るところにおとぎ話の「お約束」が登場し、
「白雪姫」や「シンデレラ」「眠れる森の美女」などといった
誰もが知っている作品をうまくネタに使っている。
それでいてストーリー全体は後半にいくに連れて大きく盛り上がり、
最後まできっちり感動させてくれるところはさすがディズニー。
アニメで描かれたメルヘンの世界から
実写で撮られたニューヨークの世界の対比が素晴らしく、
全編通して非常に完成度が高い。大人こそが楽しめるファンタジー作品。
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