戦闘の最前線となるエリア88にて戦う傭兵パイロットたちの話。
マンガとしては少しクセがあり、状況説明が省かれたり
非常に簡略化されて何ページか飛んだような印象を受けることがある。
また、序盤は単発のエピソードが連なっており、
第1巻あたりでは本作の面白さがほとんどわからなかった。
徐々にストーリーが本筋に差し掛かり、
よく絡む登場人物との関係もわかってくると俄然面白くなってくる。
テンポが早く、常に危機的状況に晒されるエリア88が
どうなっていくのが目が離せない。
それぞれが持つ戦闘能力の高さやポリシーが伝わってくるし、
傭兵らしく後を引かない戦い方も良い。
実際の機体や兵器が作中にも登場し、
それぞれの飛行技術や基地での言動にリアリティがある。
哀愁漂う傭兵たちのセリフや生き様はハードボイルドの象徴だろう。
激しい戦闘で次々と仲間が死んでいくため、
登場人物の把握には苦労させられるし、
敵味方それぞれの戦闘機の動きが非常にわかりにくく、
どちらがどう動いたのかつかみきれないコマが多い。
面白さがわかるまで少し忍耐力が必要なマンガだし、
1980年前後の連載ということでかなり古い作品だが、
今も変わらぬ面白さを持っている。