母親の再婚を嫌った女子中学生が
クラスの男子を誘って駆け落ちまがいの行動を起こす話。
岩井俊二監督による同名の実写作品をアニメ化したものだが、
設定のいくつかが変えられており、
オリジナル版が好きだった人には、いずれも改悪に思える。
主人公たちは小学生から中学生へと変わり、
男子は相変わらず子供っぽいのに
女子は妙に大人びているという絶妙な雰囲気が味わえなくなった。
また、ヒロインが短すぎるスカートを履いていたり、
無防備に水着姿を見せるのも
異性を意識し始める年頃であることを思うと違和感がある。
それでも中盤までは割とオリジナル版に忠実だったが、
後半は何度も運命を選択し直すという
タイムリープもののSF作品のような内容になってしまっている。
大ごとにならない範囲で冒険を楽しんでいたオリジナル版と異なり、
本気で逃亡を図る形になってしまっていて
ほのぼのしたドキドキ感という域を超えてしまっている。
駆け落ちを語って振り回しておきながら遠出せずに帰ったり、
学校のプールに2人だけで忍び込んだり、
転校することを明かさないまま2学期を楽しみにしたり、
先生のおかげで花火を間近で見れたりといった
オリジナル版でグッときた名場面がいずれも失われているのは非常に残念。
オリジナル版を知らず、完全に独立した作品として楽しむならともかく、
実写版への思い入れが強い人にはまったくオススメできないリメイク。
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