2011年3月11日の東日本大震災で被災した作者が
震災当日からの避難の日々をまとめたもの。
わかりやすくストレートな心理描写で
被災者の様子がリアルに伝わってきて、
周囲への思いや生活のこと、ストレスや不安など
生々しい感情が追体験できる。
自分の未熟なところや利己的な一面まで
赤裸々に描いており、飾らないところにも好感が持てる。
東日本大震災を扱った本はたくさんあるが、
読みやすく、被災生活の実態を知ることができる資料として優秀。
同じような災害に見舞われた人が共感するだけでなく、
万が一、自分が被災したときの心構えとしても有益な1冊。
ただ、後半は鬱に陥った作者の精神面の話ばかりになってしまうので、
震災とは直接関係なくなってしまって残念だった。