村上ファンドを創設してさまざまな話題を集めながらも
2006年にインサイダー取引の容疑で逮捕された村上世彰が
これまでの活動で抱いていた想いを振り返ったもの。
さまざまな企業の株を買い占めて話題になっただけに
買収や株価のつり上げによる利益目当てかと思われがちだが、
経営者に株主の存在を意識させ、
社会的に価値のある企業を増やしていきたいという
強い思いが伝わってきた。
ファンドとしての利益を意識しつつも、
閉鎖的で消極的な企業体制を
株主の立場から変えていこうという信念が感じられる。
テンポもよくて読みやすく、
株に関するある程度の知識さえあれば理解できる内容で、
投資が単なる金儲けのための活動でないことがよくわかる。
村上氏のうさん臭いイメージを一新させてくれる本。
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