ファミコンやスーファミ時代に
ゲーム会社に入社した2人の若者を描いた小説。
ゲーム業界を舞台にした小説は珍しいが、
ゲーム作りというものがあまりストーリーに活かされておらず、
食品でも文房具でも何かを作る仕事なら置き換えられてしまうほど
ゲーム会社であるという設定が薄い。
また、会話文ばかりで登場人物の描写が弱いためか、
それぞれのキャラクターや立場が
いつまで経っても頭に入らず、
性別すらあやふやになって混乱することが多かった。
「ドラゴンクエスト」シリーズや「弟切草」、
「トルネコの大冒険 不思議のダンジョン」「街」を匂わせる描写が多数あり、
おそらくは株式会社チュンソフトをモチーフにしているが、
特にそのあたりに詳しくなくても
ストーリーの理解には問題ない。
とにかく登場人物に魅力も存在感もなく、
小説としては読み応えがなさすぎる。
舞台設定のインパクトばかりに頼らず、
小説としてもっと惹きつける内容にして欲しかった。