ドストエフスキーの書いた有名な小説と同タイトルだが
現代の日本を舞台にしたストーリーにアレンジしたマンガで、
引きこもりの大学生が売春を牛耳る女性に鉄槌を下そうとする話。
主人公が単独で悪事を企み準備していく様子は
「DEATH NOTE」に似た雰囲気があるが
主人公の行動があまり賢くないのが残念。
そのため、やり方の巧妙さに感心する、という爽快感はなく
主人公の不安定な立場がどうなっていくかを見守る作品。
テンポがよく、常に緊迫しているのが救いで、止め時を失って読み進めてしまう。
途中に何度も出てくる登場人物たちの語りは
何が善行なのかわからなくなるような
倫理観を揺るがすショックがあって面白い。