13作品が収録された短編集。
収録作品
第1部
●惨事
●蝮の家
●孤独なカラス
●老後
●私に触らないで
●みにくいアヒル
●女の檻
●あるフィルムの背景
第2部
●絶対反対
●うまい話
●雪山讃歌
●葬式紳士
●温情判事
絶賛されている書評を目にするが、
全体的に評判ほど面白く思えなかった。
第1部に関しては長く引っ張る展開の割にオチが弱いし、
スッキリさせてくれるわけでもなくてストレスがたまる。
キャラクターは深く描かれているが
ひたすら不幸に見舞われた筋書きが続き、
後味の悪いままプツリと終わってしまう印象。
第2部はそれぞれの作品が短くなるので
テンポがよくなる分、ずいぶんマシに感じるが、
ショートショート程度のオチしか用意されていないのに
結末に持ち込むまでの前フリが長すぎるように思う。
どの作品も、ひとつしかない伏線を
いろいろな情報に紛れさせているに過ぎず、
これなら阿刀田高や星新一の方が高い満足度が得られる。