海上自衛隊の隊員数十名が原子力潜水艦を乗っ取り、
どの国にも所属しない独立国家を宣言する話。
戦闘の中心的存在として描かれることが少ない潜水艦だが、
敵の行動心理を読み合いながら
これほどまでに多彩な戦法を味わえることに驚愕する。
音紋による船種の区別や特性の違う魚雷を利用して
素晴らしく豊富な戦い方を見せてくれる。
やまとを阻む潜水艦や船舶と戦う戦闘シーンも白熱するが、
同時並行で展開される各国の政界の動きも面白い。
潜水艦を乗っ取って世界各国にケンカを売るという突拍子もない行動が
徐々に海江田の考える理想的な世界へと近づかせていく展開に興奮する。
潜水艦や政治に詳しくなくても十分理解できる見せ方で、
最初から最後まで緊迫感が続く傑作。オススメ。
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